ロゼレムの併用禁忌・注意薬と飲み合わせの注意点

ロゼレムの併用禁忌・注意薬と理由一覧

 

ロゼレムには併用してはいけない「併用禁忌」と、併用に注意が必要な「併用注意」の医薬品があります。

 

よく使われる医薬品(風邪薬や胃腸薬など)との飲み合わせについても解説するので、合わせて確認してください。

 

目次

 

禁忌事項を確認しよう

 

最初に、ロゼレムの「禁忌事項」を解説します。服用前に確認しましょう。

 

  1. ロゼレムの成分に対する過敏症の既往歴のある患者
  2.  

    ロゼレムの副作用には「過敏症」「薬疹」があります。過去にロゼレムで過敏症が出たことがある人は、再度ロゼレムを服用することはできません。

     

    →副作用(過敏症・薬疹)

     

    過敏症の詳細については↑を確認してください。

     

  3. 高度な肝機能障害のある患者
  4.  

    ロゼレムはおもに肝臓で代謝される医薬品です。そのため、肝機能障害があると代謝が遅れて血中濃度が上昇し、作用が強くなったりなどのリスクがあります。そのため、硬度の肝機能障害がある場合はロゼレムの服用はできません。

 

ロゼレムの併用禁忌薬

 

ロゼレムには、「併用NG」となる併用禁忌薬がいくつかあります。把握しておかないと、知らないうちに併用してしまうかもしれないので、事前に覚えておきましょう。

 

薬品名

適応症

フルボキサミンマレイン酸塩(デプロメール、ルボックス)

うつ病、強迫性障害など

 

ロゼレムの併用禁忌は上記の1種類になります。ただ、医薬品名としては「デプロメール」「ルボックス」の2種類があるので注意しましょう。通称「SSRI」と呼ばれる、抗うつ剤の一種となります。

 

後ほど詳しく解説しますが、ロゼレムはCYP1A2という代謝酵素を使って代謝されます。しかし、フルボキサミンマレイン酸塩には、CYP1A2を強く阻害する作用があり、ロゼレムの代謝を遅らせてしまいます。その結果、ロゼレムの作用が異様に強く出てしまう可能性がるため、併用禁忌となっています。

 

SSRIはうつで精神科などに通院していると処方される可能性がある医薬品です。同じ医者であればロゼレムを処方することはありえませんが、別々の診察を受けたりすると気づかないうちに併用してしまう恐れがあります。そのため、うつなどで通院している場合は、ロゼレムの併用には注意が必要です。

 

ロゼレムの併用注意薬

 

ロゼレムの併用注意薬は、すべて「代謝酵素」が関わったものになっています。

 

代謝酵素とは、医薬品を代謝する機能をもった酵素のことです。この代謝酵素があるおかげで、体内に入った医薬成分は代謝・排泄され、やがて体内からいなくなります。もし代謝酵素がなければ、体のなかにずっと医薬成分が存在することになり、都合が悪いのです。なお、代謝酵素は複数の種類があり、それぞれ担当している医薬成分が決まっています。

 

そして、ロゼレムは代謝が比較的複雑で、複数の代謝酵素が必要です。

 

  1. CYP1A2
  2. CYP2C9
  3. CYP3A4

 

↑がロゼレムの代謝に関わっている酵素で、CYP1A2がメインで関与しています。先ほどフルボキサミンマレイン酸塩が「併用禁忌」であると紹介しましたが、それはフルボキサミンマレイン酸塩がこのCYP1A2を強力に阻害してしまうからです。

 

フルボキサミンマレイン酸塩以外にも、CYP1A2を阻害する医薬成分は複数あるので、代表例を紹介します。

 

医薬品

種別

シメチジン (タガメット)

胃薬(H2ブロッカー)

ファモチジン (ガスター)

胃薬(H2ブロッカー)

テルビナフィン(ラミシール)

抗真菌薬

レボフロキサシン(クラビット)

ニューキノロン系抗生物質

シプロフロキサシン(シプロキサン)

ニューキノロン系抗生物質

エノキサシン(フルマーク)

ニューキノロン系抗生物質

ノルフロキサシン(バクシダール)

ニューキノロン系抗生物質

 

↑がその代表例となります。まず注意したいのが、胃酸を抑制する作用のある「H2ブロッカー」と呼ばれる胃薬です。「シメチジン」も「ファモチジン(ガスター)」も市販薬が売られており、知らないうちにうっかりロゼレムと併用してしまう可能性があります。胃酸を抑える薬はタケプロン、パリエットなどの「プロトンポンプ阻害薬」を使う選択肢もあるので、安易にH2ブロッカーを併用せず、医師に相談してみたほうが無難です。

 

あと気になるのが抗真菌薬、抗生物質(ニューキノロン系)となります。こちらは原則として処方以外では手に入りませんが、風邪を引いて行く病院はロゼレムをもらう病院とは別のことが多いはずです。そうなると、処方されてロゼレムと併用という事態になりかねないので注意が必要です。

 

併用してしまった場合のトラブル内容は、併用禁忌の場合と同じく「ロゼレムの効果が強く出過ぎる恐れがある」というものになります。ただ、フルボキサミンマレイン酸塩ほどの阻害作用はないので、「併用注意」で留まっています。やむを得ず併用が必要な場合は、医師の判断で許可される例もあるということになります。

 

CYP2C9阻害剤、CYP3A4阻害剤

 

主にロゼレムに関与している代謝酵素はCYP1A2ですが、CYP2C9、CYP3A4も多少関わっています。なので、これらの代謝酵素を阻害する医薬品は、同じく併用注意となっています。

 

CYP2C9阻害剤

医薬品名:サルファ剤(スルファメトキサゾール)など

 

  1. 尿路感染症
  2. トキソプラズマ
  3. ニューモシスチス感染症

 

↑の症状で使用されることのある静菌的抗生物質となります。とくに尿路感染症で処方されるケースが多いので、ロゼレム服用の場合は医者に伝えてください。

 

ロゼレムと併用すると、ロゼレムの効果が強く出過ぎてしまう場合があります。

 

CYP3A4阻害剤

医薬品名:イトラコナゾール、ミコナゾール、フルコナゾール、エリスロマイシン、クラリスロマイシンなど

 

主に抗生物質として利用される医薬品となります。とくに注意したいのがマクロライド系抗生物質の「エリスロマイシン」で、おできやにきび、ヤケドなどの炎症によく使用されます。気づかないうちにエリスロマイシンを使用しているケースもよくあるので、炎症治療中なら気を付けたほうがよいでしょう。「クラリスロマイシン」もかなり利用頻度が高い抗生物質なので、合わせて要注意です。

 

人気の高い医薬品との飲みあわせ

 

ロゼレムの併用禁忌・注意薬は解説してきたとおりです。しかし、該当しない薬であっても、「よく利用する薬があるんだけど、ロゼレムと飲み合わせはどうなの?」という疑問を抱えている人は多いでしょう。

 

ここでは、よく使われる医薬品と、ロゼレムとの飲み合わせ・相性を説明します。

 

中枢神経抑制剤(デパス、レキソタン、ロヒプノールなど)

 

ロゼレムは一口で言うと「睡眠薬」に分類されます。

 

睡眠薬と言えば、従来まではベンゾジアゼピン系のハルシオンやレンドルミン、ロヒプノール、さらには非ベンゾジアゼピン系のアモバン、マイスリーなどが有名でした。

 

これらの睡眠薬は、大きなくくりで言うと「中枢神経抑制剤」と呼ばれるジャンルになります。

 

ベンゾジアゼピン系 ロヒプノール(サイレース)、デパス、レンドルミン、ハルシオン、ユーロジン、ソラナックス、ワイパックス、ベンザリン、メイラックス など
非ベンゾジアゼピン系 マイスリー、アモバン、ルネスタ
バルビツール酸系 ベゲタミン、ラボナなど
抗ヒスタミン薬 アタラックス、ポララミン、アレジオン、アレグラ、ザイザル、クラリチン など
フェノチアジン誘導体 メチレンブルー、プロマジン、フルフェナジン など

 

↑が中枢神経抑制剤の一覧ですが、睡眠薬だけでなく、デパスやメイラックスなどの抗不安剤、さらにはアレグラやザイザルなどの抗ヒスタミン薬(花粉症などに利用)も中枢神経抑制剤にあたります。

 

まずロゼレムと中枢神経抑制剤の飲み合わせについてですが、併用注意ではないものの、あまり相性は良くありません。というのも、お互いに睡眠作用があるため、眠気などの副作用が重くなる可能性があるからです。

 

ただ、ロゼレムだけだとどうしても寝つきが悪いという場合は、中枢神経抑制剤を同時処方するケースはよくあるので、併用自体はそれほど問題ありません。併用すると副作用が強く出やすいという部分だけ押さえて、日常生活で気を付けておきましょう。

 

注意したいのが、抗ヒスタミン薬になります。アレグラ・アレジオンなどは市販薬もあるので、気づかないうちにうっかり併用してしまうことがあるのです。そうなると、当然眠気などが強く出る可能性があります。

 

なので、花粉症の季節になったりして抗ヒスタミン薬のお世話になるときは、「ロゼレムと併用すると眠気が強くなるかも」ということは頭に入れておくべきでしょう。

 

風邪薬(ムコダイン・パブロン・ルルなど)

 

ロゼレムの服用は、どうしても長期になりがちです。そのため、服用中に風邪を引くこともあるでしょう。

 

医薬品名

効果

アスベリン

咳止め

アストミン

咳止め

フスコデ

咳止め

メジコン

咳止め

レスプレン

咳止め

アンブロキソール

喉の炎症を鎮める

エンピナース

喉の炎症を鎮める

 

ムコダイン

咳止め、痰切り、鼻づまり防止

 

そうなると、病院にかかったときに↑の医薬品を受け取ることが多くなるはずです。特に、ムコダインは対応する症状が多く使い勝手がいいのでよく処方されます。

 

第一にロゼレムとの併用についてですが、原則として問題はありません。風邪薬には眠気の副作用が出るケースがあるので、医師に「ロゼレムを服用しているが、眠気は大丈夫か」と聞いておけば万全でしょう。

 

トラブルになりやすいのが、市販の風邪薬を買って済ませる場合です。風邪薬と言うとルル・パブロンあたりが一般的ですが、これらの市販の風邪薬には、鼻水・鼻づまり治療目的で眠気が出やすい成分が入っていることが多いです。そのため、ロゼレムと併用すると、異様な眠気に襲われる可能性があるのです。その場ですぐに眠れるならいいのですが、仕事などで出かける用事があるなら、そういった成分の入った市販風邪薬との併用は避けたほうが無難です。

 

市販の風邪薬が眠くなるのは抗ヒスタミン成分のせいです。d-クロルフェニラミン」や「マレイン酸カルビノキサミン」などの抗ヒスタミン成分には鼻水を止める作用があり、よく配合されています。市販だからと言って弱いわけではなく、結構強力な作用があるので、ロゼレムとの併用で異常に眠くなる可能性はあります。

 

市販の風邪薬を買うときは、パッケージの裏を見て、これらの成分が入っていないものを選ぶようにするとよいでしょう。わからないときは、薬局のスタッフに問い合わせてみてください。

 

胃薬

 

胃腸薬が手放せない…なんて人も多いかもしれません。

 

ムコスタ、ブスコバン、ガスター、タケプロン、パリエット、ネキシウム、ビオフェルミン など

 

多くの人に利用される胃腸薬は、↑が代表例となります。この中で、H2ブロッカーと言われる「ガスター」「シメチジン」については併用注意となります。

 

ガスター・シメチジンは市販もされているので、安易に併用するのは避けるようにしましょう。あくまで「併用注意」なので、NGというわけではありません。もし持病の治療でH2ブロッカーが必要なら、医師と相談の上併用スケジュールを考えるようにしましょう。

 

その他の胃腸薬については、基本的には問題ありません。ロゼレムには、低確率ながら消化器系の副作用があるため、むしろ胃腸薬の飲み合わせは良いと言ってもいいでしょう。

 

解熱・鎮痛剤

 

頭痛や生理痛、腰痛など、「痛み」を伴う持病を持っている人は多いです。そのため、解熱・鎮痛剤を常用しているケースもあるでしょう。鎮痛剤としてよく使われるのが、NSAIDsと呼ばれる医薬品となります。

 

ロキソニン、ボルタレン、イブプロフェン、アスピリン、ポンタール、インドメタシン

 

↑はおもなNSAIDsの一覧となります。ロキソニンは市販品もあって有名なので、知っている人も多いはずです。

 

まずロゼレムとの併用についてですが、問題はありません。

 

ただ、飲み合わせと言う意味ではそれほど良くはありません。なぜなら、NSAIDsには消化器系の副作用があり、ロゼレムの消化器系副作用と重複する可能性があるからです。

 

>>ロゼレムの消化器系副作用症状

 

ロゼレムの消化器系症状の詳細は↑のとおりですが、ロキソニンなども胃を荒らすのは有名な話です。

 

そして、ロゼレムとロキソニンの消化器系の症状は原因が違っています。そのため、同時に起こることがあり、重症化の懸念もあるのです。

 

もし併用するなら、両方の医薬品の用法・用量は絶対遵守すること。ロキソニンなどの鎮痛剤は食後に服用するのを徹底しましょう。空腹時の服用はNGです。

 

胃痛などの症状が強いようなら胃腸薬を活用するのもアリでしょう。医師や薬局に聞いてみて、一番合った胃薬を出してもらうようにしましょう。

 

その他の医薬品(ピル、ワーファリンなど)

 

女性の場合、ピルを使っているという人もいるはずです。また、併用禁忌・注意薬がたくさんある「ワーファリン」とロゼレムの関係が気になる人もいるでしょう。

 

種別

代表医薬品

概要

ピル

トリキュラー、ダイアン、ヤスミン、アイピル

併用はOK。ただし消化器系の副作用の重複に注意

ワーファリン

ワルファリン

併用はOK。

 

↑はロゼレムとの併用状況一覧となります。いずれも併用自体はOKですが、副作用の重複などについては考えておく必要があるでしょう。

 

飲み合わせの悪い食品について

 

セロトニン系のサプリメント

ロゼレムはセロトニン系の睡眠薬です。それと同じ作用のある、セロトニン分泌を促すサプリメントもいろいろあるので、併用するとセロトニン分泌が多くなりすぎて以上に眠くなったりする可能性があります。できるだけ、併用は避けるようにしましょう。

 

セントジョーンズワート

うつや不眠症、あるいはダイエットなどに効果があるとして、サプリで売られています。ロゼレムと併用するとロゼレムの効果が出過ぎることがあるので注意が必要です。

 

 

併用禁忌・注意薬まとめ

 

まず気を付けなければいけないのはSSRIのデプロメール、ルボックスです。こちらはロゼレムと併用禁忌なので、併用しないよう細心の注意を払ってください。

 

その他については「併用注意」なので、間違って併用してしまった場合は、次から気を付けるようにしましょう。特に併用しやすいのは「肺炎」や「性感染症」、「尿路感染症」、「炎症治療」中に処方されやすい医薬品です。頭の中に入れておきましょう。